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交渉のポイント、交渉をうまくするコツ、交渉で有利になる秘訣 [交渉術]

成功する交渉術(1)★1.なぜ交渉するのか?

私たちは、日頃の生活や仕事の中で、あらゆる利害関係者と交渉している。

そのとき、お互いの意向や意思が一致すれば、特に問題なく手続や取引を進めることができるが、求める結果や優先順位が食い違うこともよくある。

その場合、どちらかが相手を力ずくで強制するか、または、関係を打ち切るなどのことが考えられない限り、交渉に臨むしかない。

したがって、交渉とは、2人以上の当事者が、お互いに異なる立場から、合意できるポイントまで動くプロセスである。



(2)★交渉は「NO」と言われてから始まる。


2.創造的交渉:「Warm & Tough」なアプローチ

ビジネスとして交渉する場合、どうしても、相手を敵視してしまいがちである。

また、顧客の立場で交渉する場合も、そうなりがちである。

しかし、どんなに対立しても、合意に向けて交渉している以上は、同じ目標に向かう味方であることを忘れてはいけない。

相手の人格が問題なのではなく、対立しているのは取引条件に過ぎない。

ここで覚えておいていただきたいキーワードは「ウォーム・アンド・タフ」。

人には「あたたかく」、ビジネスには「タフ」な姿勢を持つことである。


人間的にあたたかいということは、決して、相手に「譲る」ということではない。

ウォームとは、相手の話を聞き、相手の立場を理解し、相手に対する好意を表現することである。

また、相手の心配や緊張感を解消し、時には、雑談や世間話で盛り上がり、気持ちを和ませることでもある。

しかし、そのことと、利益や価値の譲渡とは、まったく別の問題であるのだ。




★3.価値を創造しよう

まず、交渉する前に確認しておきたいことは、その取引交渉の目的である。

ビジネス交渉の目的は、直接または間接的に「自社のために価値を獲得すること」である。言いかえれば、利益の追求である。

新規契約を成立させる、顧客の不満を解消する、販売数量や販売価格を上げる、仕入れ価格を下げるなど、個々の交渉には、それぞれ具体的な目的があるが、すべては、事業利益を高めるための活動といえる。

したがって、交渉相手である取引先に、価格などの条件を譲ってしまうことは、自社に対する価値(利益)を譲ることになる。

創造的な交渉では、価値は奪い合うものではなく、創造するものである。

しかし、予算や営業マージンなど、物理的に限られたパイを取り合う交渉では、どのように新たな価値を創造すればよいのだろうか。

この場合、以下の2つの考え方が必要となる。

(1) 所有する人によって、一切れのパイの価値は異なる

(2) 目に見えるパイだけが価値ではない

また、同じ価値といっても、直接利益につながる「知性価値」と、将来的利益に貢献する「感性価値」の2種類の価値がある。


●知性価値の例

現金、商品、サービス、サポート、資材、人材、保証、保険、契約、権利・ライセンス、時間、値引き、知的財産、その他金額換算できる付加価値など

●感性価値の例

信用、名誉、実績、経験、知識、ノウハウ、ブランド、認知度、評判、好意、誠意、真心、やる気、努力、人脈、地位、可能性など




★4.関係重視 VS 利益重視

取引先の対する総合的姿勢が決まっても、ひとつひとつの取引交渉においては、そこで求める関係と、結果のバランスに応じて、適切な交渉スタイルがある。

相手のとの関係より、目先の利益が重要である場合、また、目先の利益より、相手との関係が重要である場合、さらにいずれも重要である場合などでスタイルは違ってくる。

同じ取引先との交渉でも、そのシチュエーションによって変化するものである。

従って、その取引先に対する基本姿勢という大枠の中でも、その時の事情に合った交渉スタイルを選び、対応しなければならない。

通常、交渉においていは、WIN/WINがよく提唱されているがシチュエーションによってはWIN/WINの目標が必ずしも現実的でない場合がある。

どうしても、取引先の要求に対応できない場合や、その契約条件では無条件で労力や時間を費やすわけにいかない場合などの状況が考えられる。

また、経験の浅い交渉者の場合、WIN/WINのつもりでも、実は自社の利益を削ってしまっていることに気づかないこともある。(実はLOSE/WIN になっている。)

従って、具体的な条件を出し合う取引交渉の場合では、必ずしもWIN/WINのみが目標ではないことを知っておこう。






第2章 技術編「交渉の基本テクニックと戦術」


★1.交渉の出発点と合意点はどこか

交渉とは2人(社)以上の当事者が、お互いに異なる立場から合意できるポイントまで動くプロセスである。

従って、A社とB社のビジネス交渉においては、それぞれが、一方的な要望を呈示する出発点(現在地)から、両者が納得できる合意点(目的地)まで移動することが目標となる。

しかし、異なるA社とB社の立場から移動する場合、合意点となり得るポイントは複数存在するのである。

この場合、相手との合意点をはっきりと決めて、そこで折り合うための計画を持った者が有利であることは言うまでもない。

方向性だけを漠然ととらえ、位置、距離、スピードなどに関する計画がまったくないまま出発する者は相手の思いのままに動いてしまう恐れが大きいのである。



★2.プランニングのためのツール・ボックス

1つの交渉要素(例えば、取引金額)しかなければ、交渉の準備は、これに関する目標値を決めておくだけで済む。

その場合は「戦略」が、特に必要とならない。

しかし、実際のビジネス交渉となると、結果として、計るべき要素が多岐に渡る場合が多い。

従って、全ての要素を希望どおりに操作し、管理するため、戦略的アプローチが必要となる。

取引結果に、多数の要素が複雑に絡み合っているということを忘れると、失敗することがある。


(例)

1年間無料修理というサービスが付いていた。故障したので、修理を依頼したところ、実は回収してくれないだけでなく、送料も自己負担だった。

取引には、金額以外の要素(変数)が、多数存在し、それぞれについての個別計画(目標値)が必要となるのである。

交渉に挑む前に、いかに多くの取引変数に対して準備できるかが、結果の良し悪しに影響する。



交渉に挑む前に、プランニングしておきたい内容は、次の3つである。

1) どのような要素(変数)が存在するのか?

2) それぞれの要素(変数)において、どのような結果を目指すのか?

3) どのテクニックを使って、その結果を導くのか?


以上の課題について、あらかじめ、考えをまとめておくことが戦略的プランニングであり、これを実施するためのツールを知ることが大切である。

交渉に必要な技術手法を理解し、今後の交渉準備で活用する自分なりのツールボックスを整備していただきたい。





★3.五つの基本説得テクニック

ビジネス交渉の場合、それぞれの当事者が、相手に対する要望を持っている。

つまり、相手から与えられてもらいたいものがあるということだ。

ビジネス取引である限り、欲しいものを強引に奪いとることはできない。

相手の自由意思で、与えてもらわなければならない。

その自由意思が前提となる交渉においては、人を動かす「説得法」が最も基本的なスキルとなる。

ここでは、これらの人間的スキルを交渉テクニックとして認知し、それぞれの特性と上手な使い方を学んでもらいたい。

基本説得テクニックには次の5つがある。

感情 感情、敬意など、好意的な言葉や行動で相手の心に強く訴えるテクニック

論理 情報やデータなど事実的根拠を用いて相手を納得させるテクニック

威嚇 相手に危機感を与える行為であり、相手を、有無を言わせずに従わせるテクニック

駆引き こちらの譲歩を引き換え条件として、相手にも譲歩を要求するテクニック

妥協 それぞれが求める結果の中間点を取り、成果を分け合うテクニック


これら5つの基本説得テクニックは、二つの種類に分けられる。

自分から何も譲らずに、相手だけに譲渡を求めるテクニックは、第一次説得テクニックと呼ぶ。この中には、感情、論理、威嚇が含まれている。

一方、自分も譲歩し、相手にも譲歩を求める第二次説得テクニックには駆引き、妥協がある。





★基本説得テクニックの特質と留意点

●「感情」―――新たな価値を生み出すテクニック

交渉に有益な第一次説得テクニックの中でも、「感情テクニック」が効果を発揮できる状況においては、他のテクニックに勝る。

「感情」を使うべきかどうかは、その関係性と相手の性格によって判断するものである。


例えば、長年、取引を行っていた業者に取引中止の申し出とともに、最後の納入日を早めてもらいたいというような要求をする交渉の場合、感情的アピールだけでは相手をその気にさせることはできないだろう。

一方、これからお互いに実りがある関係を作っていこうとする新規取引先に、ちょっとした無理を聞いてもらいたい場合なら、感情テクニックが非常に有効である。

「感情」は「感性価値」を作り出すものだ。関係が長期的なものと思われている場合ほど、効果を発揮するのである。



●「論理」――――テクニックのメリットと弱点

「論理テクニック」は、否定不可能な事実を根拠とするものであり、これも感情テクニックと並んで、強力な説得ツールである。

ただし、この論理テクニックでも失敗する場合がある。それは、相手がさらに強い論理的主張をしてきた場合だ。

「論理」と「論理」がぶつかった場合、より説得力があるほうが有利である。

その場合の説得力は、その論理的主張の強さだけでなく、力関係への配慮など、結局、感情的な要因の影響が関係してくるのである。




●「威嚇」――――テクニックの取扱注意

「威嚇テクニック」は婉曲的でなければならない。

ストレートな威嚇を使うと、相手も同じ手を使ってくる可能性が非常に高い。

これがエスカレートすると、信頼関係も壊してしまうことになる。

また、威嚇テクニックを使う場合の、もうひとつの重要なポイントは、実行可能な威嚇以外は使ってはならないということである。

「言ってみただけ」のことが、思いがけず、引っ込みがつかなくなることも有り得る。




●「駆引き」――――テクニックの戦略的技術

自分(自社)にとって重要な条件が金額であるならば、金額だけについて交渉するのは「駆引き」ではなく「妥協」である

駆引きテクニックにおいて重要なことは、自分にとって、比較的、容易に提供できるものを譲歩し、自分が最も重要視する部分については、相手の譲歩を求めることである。

例えば、顧客に「高い」と言われて、いきなり、値引きするのではなく、サービスやおまけをつけるなど、比較的、コストのかからない方法で付加価値を高め、何とか、正価で契約してもらうことが、効果的な「駆引きテクニック」である。

そのためには、あらかじめ、譲歩できるものを多く用意しておくことが重要なポイントである。それでも、手持ちの切り札(交換条件)がなくなってしまった場合は、最後の手段として、相手に提案してもらうという手もある。

例えば、「高い」と言う顧客に対して、金額を下げる代わりに「お値段は下げることができませんが、その他のサービスで、何かご要望がございましたら、考えさせていただきます。」と問い掛けてみるのである。

ここで、相手に考えさせ、提案させることができれば、突破口が見つかる。

顧客の代替条件を受け入れるかどうかはともかく、少なくとも、正価で契約するひとつの方法であることは明らかである。





●「妥協」――――最後の手段

「妥協テクニック」は最後の手段である。

最後であるだけに、結果は取り戻しがきかない。

ここで、安易な妥協を行うと、大きく損をすることもありので、慎重に挑みたい。

金額、納期、支払い条件などについて、どうしても、他の交換条件では話がつかず、お互いに、歩み寄るしかないと判断した場合、どちらが最初に切り出すのか、どの程度、譲歩するかなど、様々な課題がある。


ここでは、まず、「マーカーは自分から置かない」という基本原則を紹介する。最後まで有利な交渉をするのであれば、金額呈示などのマーカーを自分から置かないことである。

(悪い例)

相手が50万円で売りたいものを、自分は40万以下で買いたいとする。

その場合、自分から「40万円以下でどうか?」と言ってみたところで、相手がその金額で手を打つという保証はまったくない。

逆に、弱みをつかまれる。

そこで、「いくらなら、売ってくれるか?」と聞き、まず、相手にマーカーを置かせることがポイントである。

しかし、相手が頑強で、どうしてもマーカーを置かない場合は、ここでも婉曲的な提案方法が有効になる。

「もし、あなたが40万円ならいいよと言ってくれるのなら、私も、譲歩して、40万円で買いましょう。」

まったく同じことを言うように聞こえるが、これは決して、自分だけが譲歩したわけではない。

これにより、相手の同意を確認してから、正式にオファーすることが可能になる。

相手が「NO!」なら、自分も「NO!」であり、交渉を振り出しに戻せばよいのである。




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